災害看護専門看護師の仕事と必要なスキル

看護師の専門性のある仕事として「災害看護専門看護師」と言う職種があります。
これを取得した人たちは、災害看護での精神看護や感染症対策、保健指導などの専門知識を持っています。さらに実際の災害現場での活躍の他に、研究や教育の場でも活躍することを目的として、その人材を育てる為に災害看護専門看護師が誕生しました。

2017年に専門看護分野として日本看護協会により認定されました。災害が起きた際、災害支援ナースや災害派遣医療チームが被災者支援に従事することになりますが、その中でも、災害看護専門看護師の役割は災害の発生直後から、急性期や慢性期、復旧と復興期、静穏期までの被災者の心身や暮らしの支援を行うことになります。

この業務の一番の特徴は、災害時だけでは無く、長期的で継続した支援を平常時から行うことです。
この業務に求められるのは、高いコミュニケーション能力とリーダーシップといえるでしょう。

災害看護専門看護師は、災害現場はもちろん災害基幹病院、災害拠点病院といった場所が活躍の場となりますが、災害が起きていない時は、防災・減災マニュアルの作成や防災看護システムの構築などを、行政や他の職種などと連携や協働しながら行います。

また防災や減災に対しての教育活動として、個人や家族、組織や地域に向けた活動も実施します。そして災害看護の提供体制を災害看護の教育や研究活動を通して提案することもあります。

災害時は人的も物的も限られているため、災害の特性をふまえてメンタルヘルスを含んだ適切な看護を提供する必要があります。その他、災害現場では倫理的問題の解決や環境調整も行わなければなりません。
非常に大変な仕事ではありますが、災害で困った人たちを救う役割は社会から大変重宝されるだけでなく、現場をサポートする体験は大変やりがいがあるものだといえます。
本当に困っている人たちをサポートしたいのであれば、災害看護専門看護師の取得を検討してみるといいでしょう。